愛知県小牧市に本社を置く建設企業の株式会社キョウエイは、4月1日付で男子100mの矢橋寛明選手が入社しました。
矢橋選手は岐阜県出身の27歳。県岐阜商高では全国大会に進み、準決勝まで駒を進めています。中京大学では4年生の際、日本選手権にも出場を果たし、大学卒業後はヴィアティン三重で競技を続け、21年の栃木国体では8位に入賞。昨年はクラブチームの陸岐道に所属、7月には10秒26の自己ベストをマークしたほか、9月の全日本実業団では4位に入ってます。
矢橋選手は陸上だけではなく、YouTuberとしても活躍、「バシくんTV 100m走る人」というチャンネルを持ち、登録者数は驚きの2.8万人です。キョウエイでは入社後、広報室に配属、キョウエイのYouTubeチャンネルなどで広報活動を展開しています。
キョウエイは、2023年9月に陸上競技部を設置、リオ五輪男子4×400mリレー代表の田村朋也氏が部長兼選手としてスタート。今年2月には至学館大出身で、22年西日本インカレ男子200m優勝の伊藤弘大選手と矢橋選手の加入で3名体制となりました。今回、キョウエイの河野 誠二代表取締役と広報部の矢橋寛明選手話をうかがいました。
創業30年でリスタートする1年とし、意欲を新たに
ーーキョウエイはどのような建設会社でしょうか。
一般住宅ではなく、ビルや工場、商業施設、介護施設などの基礎、床、壁を取り付ける専門工事会社です。ゼネコンから工事を受注し、施工管理と施工を手掛けています。
今年のテーマは「原点回帰」です。2023年9月で創業30周年を迎えました。その節に社員と協力会社そしてそのご家族をお呼びして、感謝のつどいを開催しました。会社の存続率は、創立30年後であれば0.025%、つまり1万社のうち2.5社というごくわずかです。社員や協力会社の方々に感謝の言葉を伝えつつ、もう一度創業時の想いや、さらに当社の経営理念である、『共に支えあい、共に成長し、共に栄える』を再確認することが大切でした。
人生の大部分は仕事に費やすことになります。その仕事が楽しくなければ幸せな人生を送ることはできません。社員の幸せをつくることは会社の使命ですから、もう一度、創業時のことを思い出し、社員や協力会社の方々と結束力を高め、リスタート(再スタート)する1年としたいため、このテーマとしました。
災害大国なため、建設会社は地域の守り手の役割
災害大国の日本での建設業が果たす役は非常に大きい。建設業従事者は年々減少していますが300~400万人いなければ、街の再建や通常のインフラ整備がままならなくなります。
地域の守り手として役割をフォーカスしていくためにも、建設業の使命を改めて見直していくべきです。次に地域や未来の街を造る役割も合わせて担っていますので、地域のご理解が必要です。
そこでまだまだ当社は地域貢献を果たしていると胸を張って申し上げられませんが、いろいろと地域貢献を模索したところ「陸上競技部」の立ち上げが答えの一つでした。
地域のお子さん、地元の小牧市や愛知県全体を盛り上げる起爆剤のイベントを開催するなどこれから具体的な行動に移していきます。
建設産業の3Kイメージを払しょくしたい
ーー矢橋選手が広報部に配属し、情報発信する意味は大きいと思いますが
建設産業は3K(きつい・汚い・危険)と呼ばれ、一般的には人気がありません。今、建設業の2024年問題に代表されるように人手不足は大変深刻です。
そこで建設産業を新3K(給料が良い、休暇が取れ、希望が持てる)と官民挙げて提唱していますが、現場の実態はなかなか変わりません。
しかしよりよい福利厚生や高い収入を提示する努力は建設会社が行うことは大切です。そこで当社も先駆けてさまざまな取組みを展開しています。福利厚生や給料アップの努力は重ねていますがなかなか知ってもらえない実態もあります。
建設業界を避けられる方でも、本当はモノづくりが好きな方は数多くおり、福利厚生や給料アップの実態を知っていただければ当社への入社も真剣に考えていただけます。それには発信力が必要であり、矢橋選手を広報部に配属しました。
矢橋選手は陸上選手とともに、YouTuberとしての顔があり、チャンネル登録者数2.8万人の「バシくんTV 100m走る人」というチャンネルを持っており、この情報発信力とともに、陸上を切り口にキョウエイを知っていただくことにも期待しております。
それが社の知名度向上などにつながれば望ましい。
ーー4月1日からキョウエイ広報部に配属されましたが
自分自身の陸上選手としての日常を発信しつつ、キョウエイを知ってもらうようこころがけています。まずは選手としてキョウエイのユニホームを着て、試合に出場し続け、会社を知ってもらう活動が大切です。ですからまずは陸上選手として試合に出続け、レベルの高い結果を残すことが重要になります。
YouTuberとしての活動はもはや生活の一部分ですが、自分のチャンネルである「バシくんTV 100m走る人」と「キョウエイ」のチャンネルとともに、いろんな切り口で会社を知っていただこうと努力をしています。
広報活動で各SNSやHPの閲覧数が格段に上昇
ーー陸上部の立ち上げとともに矢橋選手の加入は会社にどのような影響を与えられましたか
非常にいい影響があります。キョウエイは2023年9月に陸上競技部を発足、当時は、リオデジャネイロ五輪出場経験のある田村朋也選手のみでしたが、その半年後、矢橋選手が加入し、その後広報活動に注力した結果、キョウエイ陸上部のInstagramは当初のフォロワー数300人から一気に1,600人と増加しました。私自身のInstagramもあり、通常の閲覧は150~200人ですが、矢橋選手が少し紹介するだけで700~800人と一気に伸びます。
今までキョウエイという会社をご存じない方も矢橋選手や陸上競技部の発信力によって、しだいに社名とともに福利厚生内容などの取組みを知ってもらえるようになっています。また、会社のホームページも日々の閲覧数は200ユーザーでしたが、矢橋選手の加入で一気に4000~5000と伸びた効果は大きいです。
採用活動では、一般枠では大企業には勝てないですが、アスリート枠での環境や待遇では愛知県の中では一気に認知度が高まりました。陸上で行くならばキョウエイがいいという話もあり、競技場に行っても私どもの顔も覚えられていて、声もかけられるなど宣伝効果もかなり大きいと実感しています。
また、私としてはこのような取組みを通じてアスリート選手のセカンドキャリア形成の一助となればいいと考えています。五輪経験選手でもアスリート人生が終わった後、次の人生がまだあります。それはアスリート人生よりも長いのです。
五輪選手でもセカンドキャリアを現役時の経験を活かせる方はごく少数で、これから陸上界と建設業界がお互いに手を取り合い、盛り上げていく人材を増やしていきたい。
アスリート支援を通じて、建設業界に関心を少しでも寄せていただければ、微力ですが建設業界の人手不足解消を果たしていければ望ましい。
ーー矢橋選手はどのようにキョウエイと知り合ったのでしょうか。
中京大学卒業後、三重県で国体の関係で、ヴィアティン三重で競技を続け、2022年冬に退社し、2023年は地元のリーグで活動を続けていました。
田村朋也選手はキョウエイの陸上競技部第1号選手であり、大学の先輩後輩との関係もあり、田村選手に陸上競技部の話をうかがったことがキッカケで、そこでキョウエイという会社を知り、今後会社とともに陸上競技部を大きくしたいという想いも知ることができ、請われての入社になりました。
アスリートにとって「セカンドキャリア」は重要なテーマ
ーー広報の仕事をしながら陸上でご活躍されている姿を拝見しますと、充実していると思いますが
確かに充実しています。当初、YouTube活動はなんとなく始めたのですが、今や陸上以外のスキルとして、社内でも使わせていただいている意味は大きい。
先ほど、河野社長からも同様な話がありましたが、陸上人生を送りつつ何かもう一つのスキルを獲得していきたい。
今のSNSの発信力は一つのスキルですので、キョウエイという会社を知ってもらうためにもさらなる発信力を磨き、競技者とSNS発信者として今後とも両立していきたい。
ーー陸上選手に限らず、アスリートにとってセカンドキャリアは大切だと理解できました
セカンドキャリアを拓くためには競技者とともに何か自分のスキルを磨くことが肝要です。自分の場合はSNSの発信力でしたが、それぞれのアスリートには、もう一つ何か得意分野を現役時代のうちにつくっていくことが後のセカンドキャリアにつながります。
ーーこれから陸上選手でのライフプランをどうお考えですか。
半年に1回、社長と担当役員との3者面談や、上席と個別に行う1on1ミーティングを通して、個人ビジョンの達成を会社と共に目指していきます。
社員それぞれにライフプランシートを作成してもらい、1年後、5年後、10年後にどうなりたいのか、家庭ではどうありたいのか、会社ではどうありたいのか、給料はどのくらい欲しいのか、自己啓発、挑戦したいことはないかなど、一人ひとりの志向を把握し、その目標を会社として全力で応援していきます。
この考え方は一般社員だけではなく、陸上競技部の選手にも該当します。
自分がずっと陸上選手に留まることは基本あり得ません。いい選手を獲得し、指導していくことやその選手を知ってもらうことなどのSNSによる発信は続けます。そこで陸上競技部をより大きくし、それがキョウエイをより多くの方に知っていただくことにつながるのです。
2025年にキョウエイ主催で陸上大会を開催へ
ーーこれからの広報で何か新しい取組みは検討されていますか
2025年に、キョウエイ主催の陸上大会を開催するなど、陸上部門も強化し、さらに自社の発信力をより増していきたい。矢橋選手のYouTubeチャンネルは2.8万人ですが10万人へと増やすよう一緒に考えていきたいです。
当社本社にある小牧市の人口は14.5万人ですが、矢橋選手のチャンネル登録者数はこの3割に相当するインパクトは大きく、今後、有名YouTuberとコラボなどを検討しています。
矢橋選手のチャンネル力が増すことで、キョウエイという建設会社を知ってもらうことにつながるのです。
陸上競技は、メディアにも知られてきましたが、野球やサッカーと比較するとメジャーではないです。ただ面白さとしては、決してそれらに劣らないスポーツです。
自身が陸上選手ですからその面白さをもっと伝えいきますが、皆さんにはその面白さを感じて欲しいです。
今回の陸上大会の開催にあたっては陸上の面白さをもりあげてもらう同じような仲間の参加もお待ちしています。
株式会社キョウエイ本社
住所 | 〒485-0084 愛知県小牧市入鹿出新田658番地5 |
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連絡先 | TEL:0568-41-1441 FAX:0568-41-4693 |
公式HP | https://www.kyouei.biz/ |
公式Instagram: | https://www.instagram.com/kyouei.biz/ |
公式陸上競技部 | https://www.instagram.com/kyouei_trackandfield/ |
矢橋選手チャンネル「バシくんTV 100m走る人」 | https://www.youtube.com/channel/UCHuBRIKekWBy48Zwq1Wo5vQ |
キョウエイTV | https://www.youtube.com/@kyoueitrackandfield |
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