【ソフツー・東京】電話取次をAIが代行し、ビジネスの業務効率化を実現

株式会社ソフツーの鍾 勝雄(しょう・かつお)社長

株式会社ソフツー(東京都中央区)は代表電話の自動応答と取次にフォーカスし、Googleの音声技術をベースにAIが顧客と電話対応することに成功。2023年2月に「ミライAI」を正式リリースしました。

自分宛ではない電話の取次ぎ、聞き忘れや聞き間違い、営業電話や間違い電話など電話対応での課題を解決し、業務の効率化につなげます。

同社の鍾 勝雄(しょう・かつお)社長は、中国・福建省出身で2006年にITエンジニアとして来日。2008年7月にはソフツーを設立。2018年から現職の代表取締役に就任し、現在に至ります。社員は約10の国と地域のメンバーから構成し、グローバルな環境で「ミライAI」の改良、普及でさらなるサービスを提供されています。今回は、鍾社長に「ミライAI」を中心に話をうかがいました。

目次

起業の動機のエピソード 優秀な女性が専業主婦!?

株式会社ソフツーのロゴマーク

まずソフツーさまの概要と、提供されているソリューションを教えてください。

鍾社長

私は2006年に来日し、その2年後の2008年7月にソフツーを立ち上げました。当社の主なサービスは3つあります。

1つ目がコールセンター向けのシステム「BlueBean」、2つ目はホテルの客室向けの電話機の販売、3つ目は2023年2月に正式リリースした「ミライAI」というサービスです。

ミライAIはホテルやコールセンター向けと異なり、一般オフィス向けです。弊社の特徴としては、電話とAIに特化したサービスを提供し、社員50名のうち、半数が約10の国と地域から集まった優秀なエンジニアを中心に構成しています。

異文化を受け入れ、一人ひとりの個性や能力を活かし、多様なアイディアが生まれる点が強みです。

日本で起業しようとお考えになった理由は?

鍾社長

起業のきっかけは、派遣エンジニアとして働いていた時に出会った、ある企業の女性社員が急に退職されたことでした。

なぜ退職されるのかと伺うと「結婚して専業主婦になるから」との回答が返ってきました。これが大変インパクトのある話でした。中国では日本のように専業主婦は少なく、男女共働きがスタンダードなのです。

結婚して子どもを生んで一時期、育休などがあったとしても復帰し、定年まで働くことが一般的です。

その女性は大変優秀で、結婚が理由で退職したことはキャリア的にももったいないと感じました。

そういった方が家でも仕事できるような環境をつくりたいと考え、まずは「BlueBean」というクラウド型コールセンターシステムのサービスを開発し、場所を選ばない在宅勤務・テレワークでの電話対応業務のサービスに最適と好評です。

「ミライAI」 電話対応をAIが代行

電話の取次ぎ、折り返し、簡単な質問は「ミライAI」が対応

「ミライ AI」のサービス内容はどのようなものでしょうか。

鍾社長

一般企業、団体などすべての法人に適用できるサービスです。ビジネス向けの電話の対応はAIが代行します。

まず企業に着信が入った時に、AIが自動的に応答し、よくある質問に対しては自動回答を行うことは言うまでもありませんがミライAIでは、リアルタイムに指定の担当者に電話を取り次ぐことができます。

不在の場合は、AIが自動で折り返し先の電話番号と伝言をお伺いし、テキストで共有します。

非効率な代表電話の対応を効率化し、電話対応にさえぎられることなく、お客さまご自身が抱える重要な業務に専念することができます。

今、日本での人手不足は日々の日常的な話題やニュースになっています。電話がかかってきて誰か対応し、伝言したり、または電話を取り次ぐために一時的に仕事の中断することは効率の悪化を招きます。

電話の対応はAIが代行し、人は人にしかできない仕事に専念できるよう、今後のオフィス電話のスタンダードとしたいです。

導入企業から生産性が上がったと絶賛の声

使用されているユーザーの反響はいかがですか。

鍾社長

使用されているユーザーからは大変好評との意見をいただいています。AI技術導入をためらう企業も多いのですが、チャレンジされ、導入に前向きな会社も増えています。

実際、「ミライAI」を導入された企業からは、「すごく便利になった」と絶賛されています。

具体的な事例では、ある企業は、電話応対される事務員がおり、その方の退職後困っていました。そのタイミングで「ミライAI」を導入されましたが、「事務員を雇う必要がなく、それ以上に便利になった」という感想を寄せられました。

ミライAI」のチャット会話の内容
鍾社長

自動車の事故対応をされる会社の事例では、休日に社長が一人で電話対応をしていました。緊急の連絡もそうでない連絡もすべて対応していたため、休めないと悩んでおられました。

まず一時的に「ミライAI」が電話を受け、緊急事項は折り返し連絡し、そうでない電話は翌営業日にスタッフが対応する体制が整いましたので、メンタル的に休めるようになり、経営者の負担軽減に役立ちました。

コロナ禍では日本の生活様式で変わりましたね。

鍾社長

「ミライAI」の開発に着手したのがちょうどコロナ禍に突入する頃でした。メインのコールセンター事業の現場から人手不足の厳しさを聞いて、当時はコールセンターソリューション向けのAI開発から始めました。

そしてコロナ禍となり、当社はフルリモートワークに体制を変えたところ、思わぬ課題が見つかりました。

自宅からでも電話に出られるのですが、オフィスにかかってきた電話を誰も取らない事態が発生したのです。

同様なケースは、他の企業でもあるのではないかと考え、コールセンター向けのAI開発から一般オフィス向けに方向転換したのです。

低価格で容易に導入が可能に

「ミライAI」のこれからの普及が楽しみですね。

鍾社長

「ミライAI」は今後、世の中に普及していくだろうと確信しています。
営業電話によるタイムロス、電話対応者不足など電話に関する悩みを多く抱えています。

「ミライAI」は電話にまつわる課題を解決できるよう、各企業に見合ったシナリオを用意し、サービスを提供しています。

操作も簡単ですので、高齢の方でもスムーズに扱うことができ、社内のデジタル化も進み、初期費用がほぼ掛からないため、コスト面でも導入しやすかったとの声もいただいています。

ただ中小企業にはAIの大切さを認識していながらも、「当社はまだ先かな」とお考えになるお客さまも多いです。

まず、「ミライAI」の導入はそれほど大変ではない点とAIは身近な存在であることを強調していきたいです。

地域の中小企業が「ミライAI」を導入した企業との電話のやり取りで、「普通に電話業務が出来ているんだ」とご理解される企業が増えていくと、導入しやすくなります。

そのため、なるべく導入ハードルを低くして提供しています。無料版もありますし、有料でも500円からとトライアル感覚で入れていただけます。

登録したその日から利用できる手軽さもあり、リリースして1年半が経ちましたが約180社に導入いただきました。

まずは普及が肝要で、多くのお客さまにご利用いただくことでご意見を頂戴し、市場での立ち位置を確立していきたいと考えています。

多くのお客さまから改善点をうかがう機会を得られることで、さらに問題点を改良し、ソリューションを進化することで競合他社にも優位に立てる点が大きいです。

「ミライAI」はどうすれば導入できるのでしょうか

鍾社長

ミライAI」のWebサイトがあり、会員登録するだけでIDが付与され、体験できます。「これは使える」とお客さまがご判断されれば、契約ボタンを押され、後は本人確認書をアップロードされ、審査は1日で完了します。

本人確認で問題がなければ開通し、使用可能な環境になります。このように簡単に導入することができます。

AI技術ですから日々進化する印象があります

鍾社長

毎日進化しています。まずAI技術そのものが日進月歩ですし、「ミライAI」もお客さまの要望が日々寄せられているため、よりよいものになるよう日々改良しています。

新機能「カスタマイズシナリオ」をリリース
鍾社長

2024年6月には、「ミライAI」に新機能「カスタマイズシナリオ」をリリースいたしました。

この新機能により、自社のニーズに合わせた電話対応シナリオを自由に設計でき、より目的に適った顧客対応が可能となります。カスタマイズシナリオにより、既存のシナリオをお客さまが操作して編集。

ゼロから独自のシナリオフローチャートを作成することも可能になりました。よりユーザー一人ひとりの目的に応じたAIによる電話対応を実現します。

また、電話システム構築はエンジニアでないとできないイメージがありますが、誰でも自分の業務に合わせて電話対応シナリオを構築できる点もPRしていきたいです。

若者世代は7割以上が「電話恐怖症」に!?

ソフツーさまが発表した「電話業務に関する実態調査」は大手マスコミを巻き込んで大きな反響がありました

鍾社長

『電話に対して苦手意識を感じていますか』という質問に対し、「とても感じる」「やや感じる」と回答した割合を合計すると57.8%を占めており、全体の6割近くが電話への苦手意識を感じていると回答しました。

20代~30代を切り取ると更に割合が高くなり、7割以上(72.7%)が電話に対して苦手意識を抱えていることが明らかになりました。

SNSのチャットやメッセージ機能が普及したことに伴い、電話で話す機会が以前より減少したことで、電話に対する苦手意識を感じる「電話恐怖症」に陥っている若者が増加していると考えられます。

多くの若者が電話に苦手意識を感じる/ソフツー調査
鍾社長

若者の7割以上は「自分の知識で正しく回答できるか不安」「上司にうまく取り次ぎできるか不安」という理由から電話に対して苦手意識を感じて「電話恐怖症」に陥っており、ベテラン世代の7割以上は「手を止めて対応する必要があり、集中力が途切れ業務効率が悪い」という理由から電話業務に対して不快感を抱いていることがわかりました。

さまざまな理由がありますが、全世代に共通して電話への苦手意識や不快感を抱く割合は高く、職場環境の改善には電話業務の効率化が急務といえます。快適な職場環境を整備するために、この「ミライAI」の普及がカギと言えます。

異なる発想と多様性を強みとして新たなアイディアを生み出す

話は変わりますが10ヶ国から構成されるグローバル企業の強みとしては

鍾社長

社員数は約50名で約10の国と地域の社員が在籍しているグローバル企業です。構成としては、日本人と外国人、男女の比率はそれぞれ半数です。

通常の日系企業であれば何人かの外国籍の方がいて、会社は日本文化が主流になります。当社はスタッフ同士にも国のイメージはなく、上司・部下の関係も階層的ではありません。

人対人との関係ができており、みなさん自分の意見がいいやすいです。

多様な意見と智恵を衆知する経営を目指す
鍾社長

私が尊敬する経営の神様・松下幸之助の言葉に「衆知を集めてこそいい経営ができる」との名言があります。

外国出身の社員には日本のビジネスに対する固定観念がありません。さまざまな国の経験や知識を活かす環境がある点が、多様性のメリットを活かしています。

人は人にしかできない仕事を楽しもう

今後の方向性はいかがでしょうか。

予約の受付も今後はAIにシフト
鍾社長

先般、当社はビジョンを策定し、「人は人にしかできない仕事を楽しもう」を掲げました。AIでの対応が問題ない電話対応は、「ミライAI」が担当すれば、人口減少の日本でも自分の仕事に集中できて、それを楽しんでいくことがポイントになります。

つまり人間とAIが共存し、ともに働く環境をつくることに貢献していきたいと考えています。

人類はこれまで産業でさまざまな革命を経ており、AI革命は第4次産業革命と呼ばれています。産業革命とともに一部の仕事はなくなっていきました。

ただし、その方々が無職になったわけではありません。江戸時代の駕籠をかついでいた方は現代でいえばタクシードライバーに進化したといえます。

このように、仕事の質が変わり、より効率化していった歴史があります。電話の取り次ぐ事務員は減るかもしれませんが、その方々はもっと高度な仕事へとシフトし、進化されていくでしょう。

もちろん知識や技術を研鑽していく必要はありますが、より楽しい仕事が待っているのです。

これからの時代AIの導入は必須

「ミライAI」の導入を検討されているお客さまに一言お願いします

鍾社長

これからはAIを受け入れるか否かの選択ではなく、必須になると思います。早く導入した方が競合他社と比較し、優位に立てるメリットしかありません。

もちろん、「ミライAI」だけでなく多くのAIソリューションがあるので、躊躇せずにお試しでも良いので、AIとの接点を先手で打つことがこれからの経営戦略では肝要です。

ぜひ、多くの企業にてさまざまなAIソリューションを導入され、人が人のやるべき仕事をできる環境になることを望んでいます。

会社名 株式会社ソフツー

住所〒104-0045 東京都中央区築地1丁目13-14 NBF東銀座スクエア7F
連絡先TEL:03-4455-7300
FAX:03-6667-0687
代表取締役鍾 勝雄
公式HPhttps://www.softsu.co.jp/
公式ミライAIhttps://www.miraiai.jp/
ミライAI【電話対応AIサービス】YouTubehttps://www.youtube.com/@aiai9647
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