「暮らすように旅を実現する」をコンセプトに、株式会社東方旅泊PARTNERSは、高級民泊物件のプランニングやオーナーと地主をつなぐプロデュース業を行っています
「東方旅泊」のブランドでは、ゲスト目線でコンセプト、プランニング、デザイン、間取りやインテリアの設計などを手がけ、これまでに東京、沖縄、河口湖、勝浦・九十九里、伊勢志摩などに合計約50件の宿泊施設を展開。
無人化による全室セルフチェックイン方式を導入し、毎年15件の新たなお宿を建築中です。
東方旅泊PARTNERSの鴨志田篤史代表取締役は、「7年前から月のうち10日は沖縄に滞在し、人間関係をつくり、現地ならではの土地情報が入手できるようになった」といいます。
さらに「東方旅泊」の投資については投資家から熱い視線が寄せられています。ちなみに投資利回りは、驚異の約20%。不動産投資の理想的な利回りは5~10%といわれる中でずば抜けた投資先といえます。
今回は、東方旅泊PARTNERSの鴨志田篤史代表取締役にお話しをうかがいました。
一度は父の家業を引継ぎ挫折した経験も
ーー山あり、谷ありの人生とうかがっています。そこで起業への至る道はいかがでしたか。
鴨志田家は商売の家系で祖父は地方によくある、コンビニの前身の雑貨屋の商いをしていました。父は祖父の雑貨の中で残った本を集め、本屋を始め、私も入社することになったんです。
最初は小さな本屋でしたがタバコ、落ちている製品や雑誌もリサイクルし、結構販売も好調でしたね。そこで「創造大百科 かもしだ商店」として現代版のリサイクルストアとして発展しました。
京王線上北沢の駅周辺で店を構えましたが、盛況でした。さらに地方で大型の店舗を立ち上げ、これも成功。雑貨、本、トレーディングカード、CDなどを揃え、子どもから大人まで客層が広がりましたね。
そこで大手企業や地方の経営者がこの「創造大百科 かもしだ商店」を「ウチでもやらせて欲しい」とフランチャイズ(FC)の応募もあり、FC形式も採用。このFCのノウハウが後の東方旅泊に活かされます。
一時はかなりの成功を見せているように思いました。ただし発展の裏側には借金もありいろいろと苦労も・・・・
父も経営の問題で行方不明になり、そこで私が経営の後を継ぎました
そんな中、東日本大震災もあり、当時、神奈川県藤沢市で店舗を持っていましたが、この地域は計画停電が3ヶ月間続きその間、店舗を開店できず、借金やキャッシュフローが止まるなどの問題もあり、挽回は不可能だったのです。
挫折の中から民泊ビジネスを始動
ーー一度は挫折を味わいながらも立ち直り、民泊ビジネスを思いつかれたようですね。
「創造大百科 かもしだ商店」の倒産後、時間はあったので少し考えましたところ、これからは高齢者と外国人向けのサービスなどが中心に伸びると結論付けました。
そこで高齢者向けの訪問マッサージの事業を立ち上げ、これも上手くいったものの自分がやりたいものとは違いました。この事業は弟に譲渡し、今も弟が運営しています。
私は若い時には、東南アジア各国を渡り歩くバックパッカーであてのない旅をしていましたので旅行が好きです。
訪問マッサージの仕事では、あん摩マッサージ指圧師の先生をクルマで患者さんのご自宅まで送っていたのですが、施術が終わるまで暇でした。そこで「掃除もしましょうか」と申し出ますと、掃除の需要が高いことも分かりました。
一時期、指圧の施術と掃除の両輪でビジネスを考え、ネットサーフィンしていたところ、検索サイトで「Airbnb 掃除」という単語が連想してきました。
ここでAirbnb※(エアビーアンドビー)とはじめて出会い、詳しくビジネスの内容を調べ、民泊というビジネスを知り、「これは面白い」と興味を抱いたのがキッカケです。
※Airbnb・・・通称エアビー。世界191ヶ国以上で利用されている民泊サービス。同プラットフォームは、空いている部屋や使っていない家を収入源に変えたいホスト(民泊運営側)と、ホテルではなく個性的な宿泊体験を求めるゲスト(宿泊者)を結びつける役割を果たす。
民泊を調べるうちに、「これは新たなビジネスになる」と確信しました。今でこそ大手企業が参入していますが、当時はインフォーマルなビジネスでしたので早いうちから、BtoBのビジネスの形式を考えていたんです。
リサーチするうちに民泊では運用会社がオーナーからサービス料金を徴収し、宿泊施設の運用を代行し、利益を確保できるビジネスがあることを知りました。
そこで民泊運営代行サービスを行うための「一般社団法人 宿泊施設マネジメント機構(HMSJ)」を2016年7月に設立し、私が代表理事に就任。
また、国も民泊をインフォーマルからフォーマルなビジネスと転換する機運が高まっていた時です。ただしそれには根拠となる法律の制定が必要で、当時、有識者も少なく、私も法律の制定に携わったんです。
2018年6月に民泊のうち住宅宿泊事業の健全な普及を図ることなどを目的とした「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行、民泊が正式に制度として国から認められたのです。
民泊はリゾート型で地方にこそ商機がある
ーー次に株式会社東方旅泊PARTNERSの誕生となりますが、いかがでしたか。
他の民泊事業者の方々は都内の一室などを中心に運営されていました。私どもはその逆で民泊はリゾート型で地方にこそ商機があると考えていました。
当初こそ「東方旅泊」というネーミングはなかったんですが、「暮らすように旅を実現する」をテーマに、お宿を地方につくっていったんです。
この時はタイミングが悪く、コロナ禍に襲われました。都内で営業していた民泊業者の中には、畳まれる会社もありましたが、私どもは沖縄など地方で展開したことでチャンスをつかみました。
コロナ禍では政府から3密(①換気の悪い②多数が集まる③間近で会話や発声を避けることを推奨されていました。
しかし、私どものお宿は、誰にも会わずお身内の方だけでご宿泊され帰るので、3密は回避できる点も大きく、沖縄では売り上げが上がっていったんです。
軌道に乗ったこともあり、ブランディングの必要性を感じ、「東方旅泊」というネーミングが生まれました。日本はグローバルに見れば最も東側に位置し、東の方向で旅をして泊まる意味が込められています。
それまではオーナー様が所有しているお宿を運営代行するだけでしたが、東方旅泊のブランディング・パッケージをやりませんかと提案型企業に成長しました。
投資家の方が資金を提供され、東方旅泊のブランディング・パッケージに沿ってお宿を建築、完成後は民泊としてご利用されます。売上高のうち投資家の方が75%、東方旅泊が25%をいただくことになります。約5年~10年で回収できるビジネスモデルです。
実は不動産投資でも利回り20%の実績を持つ投資はあまりありませんから、投資家の方からは、「これはいいね。魅力的だよ」と評価をいただいています。
私は7年前から毎月沖縄に出張していますが、地元の方とのネットワークを築き、通常ではうかがえない土地情報が人間関係により入手できるようになったんです。
ただ、いきなり来て土地を売ってくれでは、まず無理です。最初は相手の方もこの人物が誠実であるか推し量りますし、沖縄の方の中には、「東京から来た人間は詐欺師と思え」と考える方も中にはいらっしゃいます。
そこで私も冗談めかしに、「東京から来た詐欺師です」と挨拶すると、お互いに打ち解けます。
そこで私も投資家の方に、沖縄の海沿いの街にいい土地がありますという話に加え、プランニングや計画を提案します。たとえば金額的には1億円かかりますが、収益としては年間20%の利回りが期待されますと具体的な提案する営業方法を実施しています。
私たち株式会社東方旅泊PARTNERSは、オーナーと地主をつなぐプロデュース業とブランディングがメインです。一方の宿泊施設マネジメント機構が企画をもとにお宿の運営を代行しています。
東方旅泊の知名度やブランドが向上し、コロナ禍も収まり、旅に出たい方は数多くおり、投資には最適な時期に来ています。そこでプロの投資家の方々もこぞって投資しており、今お宿は年間約15棟整備し、東方旅泊でのブランディングのお宿は全体で約50棟です。実は投資家の方々の要望にはすべて応えることはできず、38件待ちであることは申し訳なく思います。
注力する地域はズバリ”沖縄”
ーーこれから沖縄の発展に期待が高まっていますね。
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の再建を主導した森岡毅氏が新会社「株式会社刀」を設立し、沖縄北部テーマパークプロジェクトを2025年の開業を目指すことを発表しました。
このほか沖縄を世界のハブとする構想もあるほか沖縄は日本最大の観光地ですから、これからも発展していくでしょう。
ただ沖縄の方は琉球王朝の歴史的経緯から土地を売らなかったのです。しかし世代も交代し、土地の販売に前向きになっている方も増えていることから、沖縄にはかなりのビジネスチャンスが眠っています。
我々は投資家の方々に数千万円~数億円の金額を出資してもらいますから、失敗したら大変です。ですから沖縄でお宿を出すことは安心感につながります。
今、東京ではありえませんが沖縄は土地価格上昇が顕著で、たとえば坪当たり5,000円の土地が10万円に上昇している点が沖縄の土地の特徴です。
もとより銀行的な査定の物差しでいえば担保価値がない土地なので宿泊施設のような建築物が建ち、バリューが提供されると人も集まるようになります。
地方での宿泊施設の建築により、地方創生に繋がる
ーー地方に宿泊施設を建築することで地方創生につながるとの理想をお持ちですが。
東方旅泊ファンも増えましたが、そのお宿で宿泊するようになります。沖縄の浜比嘉島に4棟建てましたが、お宿の周囲にお弁当屋、ラーメン屋が出店し、街が形成されていきました。
裏方の私たちの目標では地方創生があります。沖縄の離島では過疎化が進行しているところも多い。しかし、自然を残しつつお宿を整備し、人も集まり喜んでもらうことによって、雇用も増えています。
のお宿の清掃などのメンテナンスはその地域の方に委託し、地元にお金を落とし、また、近隣の飲食店とも提携し宿泊されたゲストの方にはその食材を提供するなどをすればいい循環が生まれます。
私は先日、長崎から九州地方を回りましたが、自分が知らない地域では素晴らしい土地はたくさんあることを実感しました。そういう土地でお宿を建てる意欲がますます強まりました。
地方に向けて人の流れをつくってかなければなりません。しかし、単に環境がいい場所にお宿をつくればよいとの話ではありませんから、ゆっくり時間をかけて土地を探し、お宿をつくり東方旅泊の知名度を上げていかなくてはなりません。
さらに東方旅泊のお宿を気に入られるゲストの方々が増えていけば、地域に新たなお宿が出来たら行ってみようと考える方も多くなるでしょう。それが地域創生から地方創生につながっていくのです。この仕事はワクワクしながらしています。
河口湖のブーム前からお宿を整備し、全体の誘客に貢献
また、山梨県の河口湖では12棟のお宿を建てましたが、当初駅前にあまり宿泊施設がありませんでした。しかし現在は約200棟へと成長し、河口湖の観光ブームを生んでいます。ここは富士山という日本にとってゆるぎない観光財産があり、外国人が多く集まる地域です。
これは私どもの力ではありませんが、早くから河口湖の持つ観光財産に注目。今や年間200万人単位の観光客がいらっしゃいます。
河口湖へのアクセスも便利になり、民泊業者や鉄道会社なども含めて、関係業者みなが河口湖に観光客を誘客している状況です。
みなが協力して誘客することにより、地方創生へと変貌したいい事例です。このような事例が日本全国で伝播し、日本のいろんな地域に人が行き交うことになれば、地方も活性化することになるでしょう。
「暮らすように旅を実現する」との想いは!?
ーー「暮らすように旅を実現する」についての想いは。
日本で観光地を観光すると次第に行くところがなくなります。やはり地元の方しかいかないお店に行ったり、地元の方と仲良くすると楽しくなるのです。これは以前、東南アジアでのバックパッカーでの経験からいえます。
これは長期で旅行しないと実現しません。たとえば沖縄の離島で長期に旅するようになると、あたかも暮らすような気持ちを抱いていくようになるんです。
たとえば農家の方から、パイナップルをお裾分けして食べると、東京で食べるよりもはるかに美味しかったと記憶に残るのです。私としては滞在することの面白さを皆さんに伝えていきたい。
ーー大学でも教鞭を取られていますが何を教えられていますか。
学校法人最先端教育機構事業構想大学院大学事業構想研究所の客員准教授をつとめ、宿泊施設を活用した新規事業構想を教えています。
実は教える学生は、中小企業の社長が多い。大学は文字通り事業を構想するための学校で学生の多くは社会人で構成。みなさん自分のドメインの仕事を持っており、それと宿泊施設を掛け合わせて、新規事業を立案していくのです。
1年後には新規事業計画書を作成されますが、学生の中には、「オーナーをやりたい」とのお声もかかります。学生の中にはすでに10棟のオーナーになっている方もいらっしゃいます。
鴨志田社長が石垣島での民泊ビジネスに注目するワケ
ーーお話をうかがいますと、石垣島に注目されているようですが。
数年前からの私の教え子でビジネスの構想をあたためていた学生も私の土地情報をもとに石垣島の土地500坪を取得し、3棟建てる計画をスタートさせています。
沖縄最大の離島である石垣島は未開発な地域が残っています。ホテルも少なく1棟貸しのビラも少ないので商機は高い。
一方の宮古島は中国人が土地を購入し、価格をつり上げ、ワンルームの賃貸は1ヶ月17万円が相場です。下手すると、東京都港区並みの家賃です。
それに比べて石垣島は、良心的な価格で島全体が動いていますので、伸びしろが大きく、着目しています。
石垣島を中心に八重山諸島の島めぐりは人気のコースで石垣島を拠点に30分ほどで各島に移動でき、ここを拠点に暮らすように旅ができるようになればいいですね。
無人化で快適性を高めぬくもりのあるお宿を
ーー最後に今後の方針を教えてください。
まず、東方旅泊の知名度を上げるためにお宿をつくっていきます。もっと無人化を進めつつも快適にするために、AI(人工知能)やIoT化を進め、管理人はいないのですがいつも人がいるようなぬくもりのあるお宿にしていきたい。
棟数でいえば東方旅泊のブランドのお宿をここ3~5年で約150棟を目指していきます。さらに全国で250棟まで伸びていくと、認識も高まりますし、宿泊のバリューも違いますから、さまざまな事業者も注目が集まっていくでしょう。
事業者にとって東方旅泊のお宿をインフラと考えて欲しい。たとえばコーヒーのベンダーであれば、お宿にコーヒーを置くことによってサンプリングも可能です。いろんな事業者がお宿を活用され、周辺事業者も収益が生まれれば最高のビジネス形態へと発展します。
最後になりますが、私は「かもちゃんねる」というYouTubeチャンネルを持っています。ここでは語りつくせない、ビジネスの話を多く盛り込んでいます。是非、一度ご覧になっていただければ本当にうれしいです。
会社概要
事業者 | 株式会社東方旅泊PARTNERS |
サイト名 | 東方旅泊 |
代表者 | 鴨志田 篤史 |
所在地 | 〒101-0021 東京都千代田区外神田6-15-4-2F Air-Era |
公式HP | https://tohoryohaku.com/ |
公式Instagram | https://www.instagram.com/toho_ryohaku/ |
公式Facebook | https://www.facebook.com/TOHORYOHAKU/ |
公式YouTube | https://www.youtube.com/channel/UCcWJePsonxMvL7J55Iw1rvw |
鴨志田社長のYouTube(かもちゃんねる) | https://www.youtube.com/@Kamochannel |
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